主張・見解
声明
婦民新聞第1504号(2015年10月10・20日号)より
十月五日(日本時間)、日本・アメリカなど十二か国は、TPP(環太平洋連携協定)交渉が、「大筋合意」したと発表しました。
TPPは、米国や多国籍企業の利益のために、農業、食の安全、地域経済、医療、保険、労働、知的財産など、広範な国民生活分野を「開放」し、売り渡すものです。国民主権を侵すこのTPP合意に、私たちは強く反対し、撤回を要求します。
安倍政権はコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖などは「(関税協議の対象から)除外または再協議」としていた国会決議や、「聖域を守る」とした自民党の選挙公約を投げ捨て、譲歩を重ね、自ら交渉の推進役となったのです。さらに国民生活に深刻かつ重大な影響を与える協定であるにもかかわらず、交渉内容については一切の過程を明らかにしないという態度は、「国民への十分な情報提供を行なう」とした国会決議を完全に踏みにじるものです。国民への裏切りの上に立った交渉など私たちは一言一句も認めるわけにはいきません。
安倍首相は「TPPには、安全保障上の大きな意義」があるとして、日米軍事同盟との連携強化を謀っています。これから、協定文書の作成と調印、各国の批准、国会承認の段階を踏むことになりますが、内容が明らかになるにつれて国民の批判は大きくなり、米国に大幅譲歩を重ねてきた安倍政権の追随ぶりに国民の怒りはより増すことでしょう。
婦人民主クラブは、安倍政権打倒の運動と合わせ、広範な国民とともに、売国的協定、TPPを阻止するために全力を尽くします。