主張・見解
原発ゼロめざし再稼働許さない運動を
婦民新聞第1493号(2015年6月10日号)より
五月二十九日朝、鹿児島県口永良部島(くちのえらぶじま)の新岳で爆発的大噴火が発生、全島民が屋久島に避難しました。翌三十日夜、小笠原諸島の西方沖を震源地にマグニチュード八・一の巨大地震が発生、震度一以上の揺れが全国四十七都道府県すべてで観測されました。
東日本大震災、福島原発の苛酷事故から四年三か月、事故収束作業も汚染水処理も進まないなかの火山噴火と巨大地震は、この国が多くの原発を抱えている危険を、だれの目にも明らかにしました。
しかし政府は二〇三〇年度の電源構成を、原発比率二〇〜二二%とし、経済産業省は、この政府案「長期エネルギー需給見通し」を了承しました。これは原発依存をやめて再生可能エネルギーに転換しようとしている世界の流れに逆行するものです。原発再稼働を進める政府の方針に迎合して、原子力規制委員会は九州電力の川内(せんだい)原発一、二号機を新規制基準に「適合した」として審査書を決定し、再稼働を許しました。この決定を不服として住民代表が再稼働差し止めの仮処分を求めましたが、熊本地裁は四月二十二日、この申し立てを「却下」し訴えを退けました。新規制基準は「新安全神話」で、「避難計画」は審査の対象にされず、原発事故発生の際の住民の生命と安全は保障されません。
熊本地裁の決定の前、四月十四日の福井地裁の判断は逆で、関西電力の高浜原発三、四号機の再稼働は、安全性が確保されていないから認めないという決定でした。住民運動を強めて福井地裁の「画期的な決定」を広げましょう。
婦人民主クラブ