主張・見解
社会保障の後退を許さない世論を広げよう
婦民新聞第1489号(2015年4月20日発行)より
二〇一五年度予算が自民、公明などの賛成多数で参院本会議で可決・成立しました。
九十六兆三千億円を超える過去最大の予算規模の中で、社会保障の各分野では、情け容赦のない負担増、給付減です。
五%から一気に八%へ引き上げられた消費税の増収分、約八兆円のうち「社会保障の充実」にあてられるのは、たった一六%しかないのです。貧困の固定化は一層深刻になるでしょう。
年金の支給額を物価や賃金の上昇以下に抑える仕組み「マクロ経済スライド」が初めて実施されます。介護では、介護報酬の大幅引き下げが介護労働者・事業者を苦しめ、介護保険料の月平均五百円超の負担増が介護内容の後退とあいまって、老後のくらしを脅かしています。すでに苦しい生活を強いられている生活保護利用者に対し、厚労省が住宅扶助と冬季加算の引き下げを打ち出したことは、命を危険にさらす仕打ちにほかなりません。
一昨年の八月からの最大一〇%の生活扶助の削減も四月に三回目が実施されました。生活扶助は「金銭給付が原則」とされていますが、大阪市など一部の自治体では、プリペイドカードでの保護費支給を導入しました。これは「生活保護法」に違反します。
生活扶助引き下げは憲法二十五条に違反していると二十都道府県で八百二十二名(予定)が裁判に立ち上がっています。安倍内閣の暴走から暮らしを守ることが、いっせい地方選挙の大きな争点となっています。社会保障の後退を許さない世論を広げていきましょう。