主張・見解
雇用破壊と日航不当判決を許さない運動を
婦民新聞第1463号(2014年6月20日号)より
安倍政権は、「世界で一番企業が活躍しやすい国」(日本再生戦略)の柱として「雇用改革」を一気に進めようとしています。安倍首相は「女性が輝く日本」と成長戦略の一つに女性の雇用拡大を位置づけていますが、その中身は女性を無権利状態の不安定雇用で安上がりに使おうというものです。
この雇用の規制緩和に司法がお墨付きを与えるという無体が行なわれました。六月三日、五日と相次いだ日本航空不当解雇撤回裁判の高裁判決です。二〇一〇年大晦日、日本航空が乗員八十一名、客室乗務員八十四名を解雇したことがいかに違法なものであり、日航の再生にも不必要であったかが裁判の中で明らかになったにもかかわらず、裁判所は、会社側の言うまま「解雇有効」とし「解雇自由社会」への道を開きました。
経験と知識と技術を身に着けたベテランの解雇は安全第一が使命である公共交通機関の責任を投げ捨てる行為です。原告の中には労働条件と航空の安全の確保のためにたたかってきた日航キャビン・クルーユニオン(CCU)の組合員も多数含まれており、解雇は組合弱体化を担った不当労働行為であることも立証されました。子育てしながら定年まで働ける職場をつくってきた女性たちへの理不尽な攻撃は私たちの命と権利を奪うもの。この判決は「首切り自由」に道を開く労働者全体への攻撃であるといわざるを得ません。公正な判決を求める署名は約三十五万人にも広がりました。私たちは国民支援共闘会議の仲間と共に、裁判闘争の勝利へ向け支援を続けていきます。