主張・見解
安倍首相の侵略戦争美化路線にノーの声を
婦民新聞第1457号(2014年4月10日号)より
就任から一年四か月、米大統領の仲介でようやく日韓首脳会談が実現し、安倍首相はこれを「未来志向の日韓関係の第一歩」にしたいと語りました。しかし両首脳会談を妨げてきたのは、安倍首相の戦争美化の言動であり、特に昨年末の靖国神社参拝は決定的でした。靖国神社は「国のため戦争で尊い命を落とした人」の慰霊の場ではなく、「天皇のため命を捧げた人」を顕彰する場であり、A級戦犯まで祀っています。いわば天皇の戦争記念館で、明治以来のアジア侵略をアジア解放戦争と美化する動きの拠点です。参拝はこの理念を肯定し戦後の平和日本の理念を否定するものです。
安倍内閣成立後国内では、「慰安婦」問題で日本の責任を認めた「河野談話」と日本の侵略を認めた「村山談話」を見直すのではないかとの危機感が広がりました。今回の会談を前に首相はようやく「河野談話」の見直しはしないと表明しましたが、直後に側近が真意は違うと言い、中国の国家主席が日本は「南京大虐殺をした」と発言するや直ちに官房長官が抗議するなど、両談話を受け継ぐ意思はみられません。真に「河野談話」を受け継ぐのであれば、中学校教科書から抹殺した「慰安婦」記述を直ちに復活させ、被害者に謝罪と賠償をすべきです。
安倍首相の言う「未来志向」の真意は「過去は水に流そう」というものです。しかし過去に目を閉ざす者は現在に盲目になり、未来をひらくことはできません。この危険な道を突き進む安倍晋三氏を一刻も早く政権の座から引きおろしましょう。