主張・見解
許し難い軍拡予算と「武器輸出三原則」緩和
婦民新聞第1455号(2014年3月20日号)より
戦争する国づくりに狂奔する安倍政権は、昨年の臨時国会で「国家安全保障会議設置法」「特定秘密保護法」を強行可決し、続いて「国家安全保障戦略」、新「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」を閣議決定しました。今国会で審議中の二〇一四年度政府予算案では、防衛関係費を伸び率二・八%の四兆八千八百四十八億円と大盤振る舞い。これは「中期防衛力整備計画」五年間の二十四兆六千七百億円の初年度分で、大軍拡計画です。
さらに、「武器輸出三原則」を緩和し、「防衛装備移転三原則」の名称に変えて閣議決定しようとしています。新三原則では「厳格審査」「適正管理」などの文言を並べ、「武器輸出」を「装備移転」といいつくろっています。
「武器輸出三原則」は一九六七年、佐藤栄作首相が表明したもので、@共産圏諸国、A国連決議による武器禁輸国、B国際紛争の当事国やそのおそれのある国への武器輸出を禁じるというものです。しかし八三年、中曽根首相が多くの「例外」をつくり、二〇一一年民主党政権時代には、武器の国際共同開発・共同生産を条件つきで認めると大幅に緩和しました。
武器輸出とは日本が「死の商人」になりさがること。平和憲法の理念を踏みにじるものです。日本のすぐれた生産技術や巨額の軍事費は、今切実に必要とされている放射能汚染水の処理や、三年たっても復興が進まない大震災の被災地・被災者のために使ってほしいものです。集団的自衛権や共謀罪の法制化をねらうなど、速いテンポで進む軍事大国化を許すことはできません。