主張・見解
医療・介護一体改悪法案ノーの運動強めよう
婦民新聞第1454号(2014年3月10日号)より
社会保障制度改悪の手順を定めるプログラム法(持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法)は、昨年末の臨時国会で自・公が強行採決し可決されました。プログラム法の問題点の第一は、社会保障制度の基本を「自助・共助の環境整備」と規定したことです。公助という言葉すら消え、憲法二十五条にもとづく生存権を完全に放棄。第二は政府が決めた社会保障総改悪のスケジュールを国会に可決させ、医療・介護などの社会保障各分野にわたる制度改悪の実行を政府に義務づけていることです。第三は「消費税増税は社会保障のため」という言い分を投げ捨て「増税し社会保障も減額」を鮮明にしたことです。
安倍内閣は「プログラム法」を根拠に「医療・介護総合確保推進法案」を二月十二日、国会に提出しました。これは「患者追い出し」につながる病院機能再編などの医療法改定と利用制限・負担増を盛り込んだ介護保険法をひとまとめにした異例の法案です。介護では「要支援者」向けの訪問、通所介護を市町村の事業に丸投げ。利用料の二割引き上げを導入するなど根幹を大きく変える大改悪。医療では団塊の世代が七十五歳以上になる「二〇二五年モデル」で病床を「高度急性期」などの機能別に再編し、必要な病床数を削減するとしています。厚労省の推計では二五年度に病床全体で二百二万床必要のところ、四十三万床減らして百五十九万床に抑制しようとするもの。
法案ごとに問題点を国民に明らかにさせ、国会に徹底審議させるよう運動を強めましょう。