主張・見解
憲法を悪政へのたたかいの力に
婦民新聞第1448号(2013年12月30日・1月10日合併号)より
「十二・六を忘れない」の新聞見出しに、同じ思いで心の拳を振り上げたのは私だけではなかったと思います。「特定秘密保護法案」は高まる国民の反対を恐れる自公政権によって強行採決されました。
権力はこれまでも幾度となく国民の耳や口を塞ぐ機会を狙ってきました。
「『国家機密法反対』唱和す若人と天突く拳秋風に燃ゆる」(「平和万葉集」より)。一九八五年、「国家機密法案」廃案の運動の中で生まれた一首です。闘いは繰り返されました。若者も戦争を体験した世代も、そして私たち婦民も各地で寒風に身をさらしながら、反対を叫び続けました。
今、「秘密保護法は廃止に」の声は収まるどころか全国に広がりを見せ、危惧する声は外国からも届いています。
安倍政権は「秘密保護法」だけでなく次々に悪法を成立させ、財界最優先の労働法制、経済政策、消費税率引き上げ、原発主電源政策、TPP促進など、国民生活破壊を推進。米国とともに戦争する国づくりへなりふりかまわず暴走を続けています。
これ以上、この政権に舵とりを許してはおけません。憲法改悪に執念を燃やす安倍政権には、「日本国憲法」を武器に私たちは共同の力で立ち向かいましょう。
十二月の「憲法教室」で金子勝先生は憲法第十二条の「抵抗権」について話されました。「この憲法が国民に保障する自由及び権利」は、「国民の不断の努力によって」「保持しなければならない」と謳っている。国民の権利を侵害するものに対してはたたかいによって勝ち取っていくものであると憲法は教えているのだと。かつて婦民創立者の一人、宮本百合子が「戦争を恐怖し、嫌悪する私たちは、その戦争をなくするためにこそたたかわなければならない」と述べたことと重なり、胸に落ちました。黙っていては子どもたちに平和で安心な未来を、誇りを持って手渡すことはできません。意気高く、臆することなくたたかう決意をこめ、今年もごいっしょに仲間の輪を広げてまいりましょう。