主張・見解
秘密保全法案の国会提出を阻止しよう
婦民新聞第1438号(2013年9月10日)より
八月二十七日、安倍首相が、十月に召集予定の臨時国会で成立を企てている「特定秘密保全法案」の概要が明らかになりました。
防衛、外交、治安(警察)、テロ活動の防止などの分野で、「特段の秘密の必要性」のある情報を「特定秘密」に指定。これを漏洩した者を懲役十年以下の懲罰に処すというもので、特定秘密の対象を決めるのは行政の長になっています。
この法の適用対象には一般公務員だけでなく、軍事産業など民間企業の契約者も検討されています。
特定秘密を知ろうと働きかける行為も「漏洩の教唆(そそのかし)」とみなされて処罰の対象となります。また、これらの情報にアクセスしようとする報道機関や一般市民にまで処罰が及びます。
政府は不都合な情報をすべて合法的に隠すことができるようになり、ジャーナリストや国民の知る権利、報道の自由など基本的人権が犯される恐れがあります。
安倍首相が同法案の制定を急ぐのは、日米軍事同盟強化のために、二〇〇七年八月に締結された「軍事情報包括保護協定」に基づき、日米間の軍事情報の保全を徹底するよう、米国が要求しているからです。また、政府は「外交、安全保障政策の司令塔」と称する国家安全保障会議を発足させる方針であり、それと連動して、まず秘密保全法の成立を企らんでいるのです。
国政の重要な情報を国民の目から隠して悪政を思いのままにすすめる安倍首相の危険な暴走を許してはなりません。秘密保全法案の国会提出を断固阻止しましょう。