主張・見解
大飯原発再稼働の中止を強く求めます
婦民新聞第1401号(2012年7月10日発行)より
七月一日、関西電力は大飯原発三号機の再稼働に踏み切り、原子炉を起動させ、ついで四号機の稼働も準備しています。福島第一原発事故の収束も、安全の確証もない中、国民生活を守るためと地元住民を欺き、再稼働を強行した政府と電力会社に対し満身の怒りをもって抗議します。
六月十六日、新たな安全基準のもと、政府は「おおむね妥当」と判断し福井県に対して再稼働推進の決定を下しました。福島第一原発事故の原因の究明もされていない中での再稼働に激しい怒りが沸騰しています。
五月五日、全原発五十基がすべて停止し、国民は原発ゼロでも電力は足りていることを実感し、新たなエネルギーのあり方を考えはじめました。「子どもを放射能から守れ」「原発はいらない」と多くの国民は抗議行動に立ち上がっています。六月二十九日、首相官邸前には二十万人が集まり、野田首相に再稼働中止を厳しく迫りました。
福島第一原発では、今なお危険な事態が続いています。この状況のもとで大飯原発を再稼働させることが、いかに重大な結果をもたらすか誰の目にも明らかです。しかも再稼働に際しての安全対策といっても計画だけで安全の補償は何もありません。大事故が起きても誰も責任をとらない政府と電力会社の姿勢を私たちは許してはいません。
被災者の苦しみを無視し、財界のいうがままに再稼働に走る政府、電力会社は、国民の願いに挑戦するものといわざるを得ません。大飯原発再稼働を直ちに中止し、全原発停止の決定を強く求めるものです。