主張・見解
「慰安婦」問題 日本は韓国の協議提案に応じよ
婦民新聞第1379号(2011年11月10日発行)より
今年八月三十日、韓国憲法裁判所は、日本軍元「慰安婦」らが日本政府に損害賠償を求める「個人の請求権問題」について、韓国政府が外交交渉をしないのは被害者らの人権侵害を招き憲法違反であるとの判決を言い渡しました。これを受け韓国政府は九月一日、今後解決のため外交努力すると言明、以後さまざまな場で日本政府に対し個人請求権確認のための協議を提案してきましたが、日本は全て拒否しています。
アジア太平洋戦争中、日本軍はその行く先々で若い女性を拉致し「慰安所」に監禁して兵士の性の相手を強要しました。戦後彼女らはその戦時体験をとじこめていましたが、一九九一年、金学順さんが勇気をふるって名乗り出て日本政府に謝罪と賠償を求め、その後続々と被害者が名乗り出て「日本軍慰安婦」問題を白日の下にさらしたのです。
一九九三年日本政府は河野談話を発表して責任を認め、一時教科書にも「慰安所」設置の記述がなされましたが、「つくる会」の攻撃で記述は消えてしまいました。
日本政府は被害者らの求めに対し、日韓間の過去の問題は一九六五年の日韓請求権協定で全て解決済みだとして拒否し続けています。これに対し、国連のさまざまな機関や欧米、東アジアの国々から強い批判と適切な対処を求める勧告や決議が相次ぎました。
私たちは、いま高齢となり次々と亡くなっている被害者たちが一人でも多く生存中に、その人権と名誉を回復できることを願い、日本が直ちに韓国の協議提案に応じ解決に向けて進むよう求めます。