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主張・見解

司法修習生の給費制度維持を求めます

婦民新聞第1342号(2010年9月10日号)より  

裁判官・検察官・弁護士など法曹の卵である司法修習生がこの十一月から無給になり、生活費など必要な人には貸与する制度が始まろうとしています。

戦前、裁判官、検察官に対し弁護士は一段と低くおかれ、国にはその資格剥奪権があって、例えば治安維持法違反事件の弁護活動で布施辰治が弁護士資格を剥奪されたように、人権擁護活動には大きな制約がありました。これを否定した日本国憲法の下、裁判所法は法曹三者を同等の立場において、国民の権利を守るための存在と位置づけ、その実務研修は公益を守る力を養成する大事な事業だからと、給費制を定めたのです。

しかし二〇〇四年、小泉政権は一般市民が弁護士を利用しやすいよう法曹をふやす、給費制は金がかかると裁判所法を改め、貸与制にしました。同じ年、受験資格も学歴不問だったのを法科大学院修了に変えました。その陰には、企業活動上多くの弁護士が必要となった財界の要請があり、また法曹資格は個人の利益だから、その取得費用は受益者負担にすべきとの考えがあります。公益を担う存在の法曹が、私利のための資格とされたのです。いま修習生の半数以上が在学中に奨学金などを利用しており、もし給費制がなくなれば借金はさらにふえます。多額の負債を抱えていては、薬害や解雇・弾圧事件などお金にならない仕事は敬遠したくなるでしょう。一般市民の権利は一層遠のくばかりです。私たちは、司法修習生の給費制維持のために臨時国会での法改正をめざし、広く世論に訴えていきます。

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