主張・見解
国民の老後を保障する公的年金の充実を
婦民新聞第1319号(2009年12月20日発行)より
老後の命綱である公的年金の充実は国民の切実な願いです。民主党を中心とする新しい政権には、国民の願いと期待に応えて、公的年金制度の充実に力を尽くすことが求められています。しかし長妻昭厚生労働相は、社会保険庁を解体し、来年一月から日本年金機構を発足させることをきめています。
公的年金は、何十年にもわたる加入記録や保険料の管理が必要です。年金情報には、国民の職歴、年収、配偶者情報、受給者の年金額や金融機関情報など、重要なデータが管理されています。数年ごとに業者や従業員が入れ替わる民間委託では、安定的運営はできません。
日本年金機構では、@五千万件の「宙に浮いた年金」等の記録問題の解決がますます困難になる、A懲戒処分を受けた等を理由として社保庁職員を採用せず、一方で千人もの民間人を受け入れる等、業務の専門性が保てない、B民間委託の拡大で国会の監視も弱くなり、国の責任があいまいになる、等の問題があります。長妻厚労相は十二月一日、日本年金機構に採用されず、いまだに就職の決まっていない同庁職員に対し、日本年金機構の准職員(有期)や厚労省の非常勤職員(有期)での公募採用を打ち出しましたが、相当数の分限免職(解雇)が行なわれようとしています。
国民の老後の安心を保障させるため、「安心年金つくろう会」が結成され、国民の中に広く事態を知ってもらおうと活動が始まっています。私たちは、国民の老後を保障する公的年金の充実と公正な運営・支給を求めています。