主張・見解
鳩山内閣は米軍基地撤去の声に応えよ
婦民新聞第1315号(2009年11月10日発行)より
普天間基地撤去、辺野古新基地建設反対、米軍基地は国外への声は、八月末の総選挙で実現の光がさしたかのようにみえました。普天間基地の国外・県外移設を公約した民主党が圧倒的勝利をおさめ、沖縄選出議員全員が基地の県内移設に反対していたからです。ところが新閣僚が米政府高官と会うたびにこの約束は後退し、特に先月来日したゲーツ国防長官の「新基地建設がなければ、兵員縮小も普天間返還もない」という威丈高なおどしにあうと外務・防衛両大臣は、たちまちみるも無残な変節をとげました。外相の嘉手納統合案は県外移設の約束に反し、地元住民の負担増が一層耐え難くなるのは明らかで、これまでも検討の上不可能とされてきたものです。防衛相の辺野古移設案は十三年前の普天間返還日米合意以来、地元住民の抵抗で着工できずにきたものです。
いま明らかになりつつある核密約も、アメリカの圧力に屈し国民を裏切った日本政府の選択でした。来年五十年を迎える現行安保条約の下で自民党政治が甘んじてきた日本の植民地化を今変えなければ、民主党も同じではないかと国民に不信の目でみられるのは必定です。鳩山内閣は、国民の期待を裏切るべきではありません。
沖縄県民の負担軽減を名目に日米両政府が合意した辺野古移設は、実は老朽化した基地を捨て、最新鋭基地を作るためであり、米軍再編の重要な一環として計画されているものです。
沖縄の自然と人々のくらしを守り、日本と世界の平和を守るために、私たちは沖縄県民と連帯し、米軍基地の撤去を求めます。