主張・見解
抗議要請
婦民新聞第1280号(2008年09月30日発行)より
米穀加工販売会社「三笠フーズ」に端を発した、いわゆる「汚染米」の食用への転用事件は、食の安全・安心を脅かす許し難い事件です。農薬やカビに汚染された輸入米が食用として流通し、保育園や病院の給食、コンビニのおにぎりにまで使われていたことに、国民の不安と怒りが沸騰しています。
政府は日本の農業従事者には減反を強制する一方で、WTO農業協定による義務でもあるかのように、毎年七十七万dものミニマムアクセス米を輸入してきました。無理な輸入による膨大な在庫は国内産米の価格下落の原因にもなっています。さらに輸入米をめぐり「土地転がし」ならぬ「米転がし」が行なわれていたこともわかってきました。ここにも利権が渦巻いていることが明るみに出てきたのです。しかもこの事態に太田前農水相は責任を感じるどころか「人体には影響がないことは自信を持っていえる。あんまりじたばたしていない」と発言し、国民の怒りに油を注ぎました。
汚染米の不正流通は、とどまるところを知らないありさまです。今回の事件の根底には、小泉「構造改革」によってもたらされた規制緩和路線があることを見逃すわけにはいきません。
政府はミニマムアクセス米の輸入を直ちに止めること、一日も早く政府の責任で原因の究明をはかること、国民の食の安全を確保する対策に全力を上げること、また国会で徹底審議を行ない、一切の責任を明らかにすることを求めます。
二〇〇八年九月十九日
婦人民主クラブ