主張・見解
消費税増税阻止へ全力をあげましょう
婦民新聞第1263号(2008年03月20日発行)より
桜の開花に心踊る季節、楽しい気分に水をさされる腹立たしい思い出は、四月一日に導入された消費税。なくなるどころかますます幅をきかせて存在していることです。政府は当初から「社会保障財源確保」を大義名分にしていましたが、導入から二十年の歴史は、大企業や大金持ち減税の財源確保のためであったことを事実で示しています。
一九八八年と二〇〇八年の社会保障の内容を比較してみると、健保本人の医療費自己負担率が一割から三割に、国民年金保険料(月額)は、七千七百円から一万四千四百十円、支給開始年齢が六十歳から六十五歳へ、当時なかった介護保険、自立支援法が、高齢者や障害者をくらしにくくしています。
国の社会保障予算は二〇一一年までに一兆円以上削減されることが決まっています。さらに衝撃的なのは、医療・介護給付を今の水準のまま維持して消費税でまかなうと、税率は一一%〜一七・四%になるという「試算」です。
内閣府の経済財政諮問会議の歳出削減の対象は社会保障費だけ、歳入増の対象は消費税などの庶民増税だけ。こうした国民生活の苦痛とはうらはらに大企業と大資本家は減税の恩恵を得ています。
この九年間に大企業の経常利益は十五兆円から三十三兆円に膨れ上がりました。その上、五兆円を超える大企業減税も。加えて年間五兆円の軍事費があります。国民生活をたてなおすためには、この二つの「聖域」にメスを入れることです。憲法が保障する負担の公平に反する消費税増税阻止のために全力をあげていきましょう。