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主張・見解

迎春 力合わせ真に憲法の生きる国へ

婦民新聞第1256号(2008年01月01日発行)より  

昨年、私たちは軍隊を海外から呼び戻すという歴史的な出来事を国民の力で実現し、インド洋での米軍艦船への給油を中断させたまま新年を迎えることができました。天皇制の復活を夢見る右翼的政治を強行した安倍政権を拒否し、参院で野党が過半数を占めるという画期的な選挙結果によるもので二十一世紀最初の勝利といえるでしょう。

しかし政府は異例の国会会期再延長をあえてしてまで、新テロ特措法の成立を至上課題にしています。この十年、不安定雇用と低賃金が横行し、社会保障制度は悪くなるばかりで、国民のくらしは追いつめられ、餓死する人さえ出ています。無料の給油は中東の人々を殺傷する米軍にではなく私たち国民にこそすべきです。しかも軍事機密の名にかくれて税金を横取りする汚職まみれの人々に海外派兵計画をたてさせていいものでしょうか。

首相が交代しても、高校の歴史教科書から沖縄戦での「住民集団自決」の軍強制を削除させた検定意見は撤回せず、日本をアジア侵略の前進基地とする米軍再編に自治体の協力をお金で買うという恥ずべき政策には何の変更もありません。

自民・民主の大連立が話し合われたことは、民主党の真の姿を国民に広く知らせ、憲法改悪の危険が遠のいていないことを教えました。地裁で無罪とされたビラ配布を高裁で有罪とする判決が相次ぎ、政府の放送支配を目論む放送法「改正」も強行成立させるなど言論・表現の自由を奪う動きも露骨です。女性の人権も標的とされ、いま男女共同参画推進の拠点施設である国立女性教育会館を青年施設と統合しようとしています。

昨年、「今年の漢字」は「偽」が選ばれました。食品・年金・政治資金の「偽」ですが、その根源には長年続いた政治における憲法の「偽」があるといわねばなりません。軍隊を海外から引揚げさせた国民の力を信頼し、憲法の「真」が輝く日本に向かって今年も力を合わせて参りましょう。

婦人民主クラブ会長 一戸葉子

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