主張・見解
命を守る母たちは戦争への道を許さない
婦民新聞第1254号(2007年12月10日発行)より
福田康夫首相と小沢一郎民主党代表の党首会談で、大連立が話題にのぼりましたが、民主党内の反対で小沢代表の辞任・復帰騒ぎがあって立ち消えになったはずでした。ところが中曽根康弘元首相が十二月一日、青山学院大学で講演し、自民党と民主党を含めた大連立を「必要」と主張、総選挙公約にも入れて、「国民の了承をある程度得るのが適当」との考えを示しました。
大連立は消えておらず、水面下でうごめきながら物ごとが進んでいるようです。中曽根元首相は大連立を「国益」としていますが、大連立を実施させたい理由の第一は憲法の「改正」です。次に消費税増税。自民党は単独では増税をいいたくないのです。先の参院選で安倍晋三前首相は「消費税を上げるとはひとこともいってない」といいましたが、その発言さえ「よけいなひとことだった」と自民党内で責められたほど、消費税という言葉は禁句なのです。そして第三の理由は選挙制度を変えて比例代表を限りなくゼロに近く減らすこと。そうすれは大企業本位、アメリカ従属の政治は思いのまま。さらに新テロ特措法の成立などに悩まなくても、国会審議なしで海外に出兵できる「派遣恒久法」も自民・民主でやれそうです。
断じてそうはさせない、というのが私たちの決意です。十二月八日に全国で母親連絡会恒例の赤紙配りがありました。戦時中の召集令状をチラシにしたものです。「聖域」とされる巨額な防衛予算に群らがる利権・収賄。腐敗の巣の予算四兆八千億円は福祉や教育にまわせと命を守る全国の母たちは強く要求します。