主張・見解
国民の声が生きる政治をめざして
婦民新聞第1246号(2007年9月20日発行)より
安倍首相が突然の辞任表明を行ないました。安倍首相は参院選で国民のきびしい審判を受けながら居座りつづけました。内閣改造までやって政権を延命させようとし、あまつさえ臨時国会開会に当たり、所信表明演説までしています。その翌々日の辞任劇でした。まことに無責任の極みというほかありません。
安倍首相は記者会見で辞任の理由として、十一月一日に期限が切れるテロ特措法の延長によるインド洋での海上自衛隊の活動継続が困難になっていることをあげました。安倍首相は、さきのオーストラリアでのブッシュ大統領との会談で、海上自衛隊の活動の継続を約束しました。しかし国民の多くは撤退を求めています。そこで進退いよいよ極まったということでしょう。
安倍首相は就任以来、「構造改革」の継続と、憲法改悪を柱とする「戦後レジームからの脱却」を掲げ、改憲手続き法や教育基本法改悪などを次々に強行。大企業・大資本家のもうけだけを応援し、国民には増税、社会保障の切り捨て、雇用破壊を押しつけ、貧困と格差を広げる政治を押しすすめてきました。日本列島のいたる所で、暮らしへの悲鳴、痛みの声が噴出しています。
しかし今、私たちは、さきの参院選挙を通して、主権者国民の声が、日本の政治を動かしていくことができる時代になったことを知りました。
安倍首相の辞任を、日本の政治を国民本位の政治に転換していくためのチャンスととらえ、しっかりと目を開いて、今後の政治の行方を見きわめていきましょう。