主張・見解
戦争と靖国を美化するDVDにノーを
婦民新聞第1237号(2007年6月10日発行)より
五月三日、新憲法制定促進委員会準備会が「新憲法大綱案」を発表しました。同会は右翼改憲団体を総結集した日本会議の議員の集まりである日本会議国会議員懇談会(安倍首相は発足当初からの主要メンバー)が中心になって作った集団です。
その大綱案では、天皇を元首として国政上の権能を認め、「天皇中心の国家体制」を声高に主張しています。九条は全面的に改廃、新設する防衛軍に集団的自衛権行使も海外派兵も認め、さらに「国民保護」の名で治安行動の余地を残し、首相にその最高指揮権「非常措置権」を与えています。
そして国民には国防の責務を負わせ、「公教育に対する国家の責務を明記」して、黙って戦争協力をする人間を教育で作れるようにしています。
いま安倍内閣が強行している施策はこれらを準備・実現するものであることに思いあたります。教育基本法改悪、それを実施する教育三法改悪案、米軍再編促進法、集団的自衛権の憲法解釈を論議する有識者会議の発足等々です。
文部科学省は、今年日本青年会議所(JC)の学校教育支援計画を研究事業に採択し、JC作成のDVD「誇り」が各地で中高生相手に上映されています。これは近代日本のアジア侵略戦争を自衛戦争と描き、一方的に日本を美化し、その「美しい日本」を支えた靖国神社をたたえます。政治家にはできない戦争賛美の教育を、公費で民間にやらせているのです。
今こそ日本を戦争する国へと向かわせる企みを一つ一つ打ち破り、憲法九条を守る力を大きく広げていきましょう。