主張・見解
障害者の願いにそった自立支援法の見直しを
婦民新聞第1222号(2006年12月20日発行)より
「わが子の障害が告げられた時、目の前が真っ暗になってしまった親の気持を受け止め励まし、子どもとの接し方を教えてくれる障害児通園施設や児童デイサービスの充実。利用料のために通園をあきらめたくないという親と子の希望をつぶさないで下さい」――十二月六日の衆院厚生労働委員会で、十月から本格実施された障害者自立支援法の参考人質疑が行なわれました。
ある知的障害者更生施設の通所者は、三月まで無料だった利用者負担が、四月から月約二万五千円に上がり、障害者年金八万円の中から支払っている例や、施設の利用料滞納者が増え続け、授産施設の工賃より利用料の方が高い人も出ていることが紹介されました。
障害のない人が働くための料金を支払い、それが賃金を上回るとしたら生活は成り立ちません。自立支援法による応益負担がいかに過酷なものであるか。障害からくる不利益を社会で支え、誰もが人間として大切にされる権利は、憲法で保障されているものです。
十一月に行なわれた婦人民主クラブの全国大会でも、障害者を家族に持つ会員を中心に「生命の危険すら招く負担増」、応益負担の廃止や必要なサービスが受けられるよう国や自治体に働きかけた経験を広め、世論にしていくことが確認されました。政府・与党も全国の障害者・家族の運動を無視できず、負担軽減について検討せざるを得なくなりました。十月の本格実施直後に見直しを迫られるような法律を作った責任は重大です。障害者支援法の見直しをさらに大きな世論にしていくよう運動を強めましょう。