主張・見解
許せない閣僚の日本の核論議容認発言
婦民新聞第1218号(2006年11月10日発行)より
十月末、北朝鮮の核問題をめぐる六か国協議の再開が合意されました。七月のミサイル発射訓練の後は敵基地攻撃論が、十月上旬の核実験声明後は日本の核論議容認発言と、北朝鮮に対する政府要人の報復的言動が続けられてきました。ミサイル発射の動きに対する敵基地攻撃は防衛ではなく先制攻撃であり、日本が核武装をすれば北朝鮮に核開発をやめよという資格はなくなり、世界の核軍拡競争に火をつけることになります。唯一の被爆国として絶対に許されることではありません。安倍首相は、このような発言をする閣僚・要人を直ちに解任すべきです。
北朝鮮は独裁政治のために飢えた貧しい国だといいながらその軍備を恐れる宣伝には大きな矛盾があり、まして二〇〇四年の海外資産を含む一人当たり総生産高が九百十四ドル、軍事費が十六億ドルという外務省発表の資料からいえば、荒唐無稽な話といわねばなりません。安倍首相でさえ北朝鮮が日本を攻撃する可能性は極めて少ないといっているのです。しかし北朝鮮の実態を知ることができず、拉致事件などの無法な人権侵害ばかり聞かされている人々の中には国を守るためにもっと強力な軍備をと思う人もいるでしょう。
いうまでもなくこれは、日本を戦争できる国にしようとする側の軍備強化論の延長線上にある宣伝です。このことをもっと多くの人に知らせる必要があります。そして六か国協議の成功こそが北東アジアの平和のきめてになること、そのために日本政府がまじめに努力することを、私たちは強く求めています。