主張・見解
生命を守る日本母親大会の成功を
婦民新聞第1207号(2006年07月10日発行)より
第五十二回日本母親大会が七月二十二日と二十三日、長野で開かれます。
広島・長崎の被爆から九年目の一九五四年三月一日、アメリカは太平洋ビキニ環礁で水爆実験を行ない、付近で操業中のマグロ漁船、第五福竜丸など八百五十六隻の漁船が被災しました。
この事件をきっかけに原水爆禁止運動が始まり、翌五五年「原子戦争から子どもを守ろう」を合言葉に、日本母親大会と原水爆禁止世界大会が開かれ、以来半世紀余両大会は歴史を重ねてきました。
「生命を生み出す母親は 生命を育て 生命を守ることを望みます」は母親運動のスローガンですが、最近では政府がこの前半を横取りし、女性は「生命を生み、育て」兵士として国に差し出すようねらっています。政府の教育基本法「改正」案では「男女共学」が削られ、教科書検定では「ジェンダーフリー」という言葉を一切使うなという指導が行なわれています。ジェンダーとは、社会的・文化的・歴史的につくられた性で、実質的な男女平等を実現するためには欠かせない概念です。
しかしジェンダーフリー、男女平等をしりぞけ、男は男らしく愛する者のために戦う性、女は女らしく男に従って子を生み育て、戦死者を悲しみ弔う性、としたい勢力があります。戦争をする国づくりをするためには、男女不平等、男女役割分担こそが必要だからです。「生命を守る」母親運動は母と子の幸福を願って、平和と平等を求めつづけてきました。戦争をしない国づくりのために、今年の日本母親大会も大きく成功させましょう。