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主張・見解

ものいえぬ国へ導く悪法「共謀罪」を廃案に

婦民新聞第1203号(2006年05月30日発行)より

話し合い、合意しただけで処罰される「共謀罪」法案の採決をめぐって、終盤国会が緊迫した局面を迎えています。

同法案は提案当初から、自由と民主主義を踏みにじる悪法であると、日弁連をはじめ、多くの労働組合や市民団体から強い反対の声が上がり、国会で二度にわたり廃案になり、昨年の特別国会では継続審議となりました。私達はこれまでの経過の背景にみえる政府の真の狙いをしっかりつかみ、反対の世論を国会に集中することが急務です。

政府は二〇〇〇年に締約された国際組織犯罪防止条約に基づく国内法整備としての「共謀罪」の新設を表向きの理由に、二〇〇三年の国会に提案。対象も六百十九もの犯罪行為について共謀段階で犯罪とされ、最高五年の刑が科せられる「現代の治安維持法」ともいわれる悪法です。自・公両党の修正案で「対象は組織的犯罪に限る」とされましたが、国会審議では「途中から変更もありうる」と捜査当局の恣意的判断が際限なく広がる当初の危険性は一向に変わっていません。

現行刑法は行なわれた犯罪行為のみを処罰するもの。「この法案は思想や内心の自由をも処罰の対象にするもので、その危険性はなんら払拭されていない」(東京弁護士会声明)。「国民生活を破壊し社会の安定を崩壊させた構造改革に抵抗するユニオンや市民運動を力で抑える装置が共謀罪」(渡辺治氏)といわれるように憲法改悪の地ならしといもいえる「ものいえぬ国」へ導く危険な悪法を、今こそ廃案に追いこむ運動を強めましょう。

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