主張・見解
アメリカ産牛肉輸入再開の抜本的見直しを
婦民新聞第1197号(2006年03月20日発行)より
抗議と要請(要旨)
婦人民主クラブは、厚生労働大臣、農林水産大臣あてに次のような要請を行ないました。
アメリカ産牛肉輸入再開後わずか一か月の一月二十日、特定危険部位の脊柱(せきちゅう)混入が発見され、再び輸入停止となりました。
これまでも日本からの安全施策の要請には顧慮することなく、一方的圧力をかけてきた米政府は、報告書で「脊柱混入は特定の業者と検査官による『特異な例』であり、米国全体の不備ではない」と開き直っています。しかし、参院予算委員会の質疑を通して、特異な例どころか、米国の牛肉処理施設での特定危険部位の除去違反の常習化の実態が、訪米調査で入手した紙智子議員(共産党)の資料により明らかになりました。
厚生労働省は、すでに昨年八月、米政府から、この詳細な違反記録の提供を受けていました。国民の間から、日本政府は国民の食の安全より米国からの早期輸入再開の要求を優先させた、との強い批判と抗議が集中しているのは当然のことです。
私たちはあらためて次のことを強く要求します。
アメリカ産牛肉の輸入は、全頭検査、全月齢牛からの危険部位の除去、肉骨粉のエサ利用全面禁止、トレーサビリティー(生産と流通が分かる仕組み)の実施など、日本と同等の安全対策がとられるまで再開しないこと。この対策の実効性については、日本政府の担当官が直接現地に出向いて確認すること。また、消費者の不安の声に応え、食肉や牛肉料理、加工食品に原産国を表示することを求めます。