主張・見解
人権の輝く独立の国へ前進を
婦民新聞第1190号(2006年01月01日発行)より
婦人民主クラブが創立六十周年を迎える年がやってきました。この六十年間私たちは女性と子どもの幸せのために、平和と民主主義を守ろうと活動を続けてまいりました。そして今日、私たちはどんな地点に立っているのでしょうか。
イラクで虐殺を続ける米軍にこれ以上は協力できないと撤兵する国が相次ぐ中、日本政府は昨年十二月八日、自衛隊のイラク派兵を更に一年延長することをきめました。
日本を足場にして世界中どこへでも直ちに展開しようとする米軍の再編計画は、住民の平穏で安全なくらしを犠牲にする在日米軍基地の拡大強化や自衛隊の米軍傭兵化を意図しており、自公民三党の憲法「改正」論はこれに対応できるように自衛隊を「軍」として公認しようとするものです。
また、軍備増強が財政困難を加速させ、それを全て私たちのくらしを破壊する庶民大増税でのりきろうとしています。
BSE感染の心配のある米国産牛肉の輸入再開も、耐震強度偽装を招いた一九九八年の建築基準法改悪も、みなアメリカの圧力によるものです。
れだけではありません。戦争する国にとって邪魔になる女性の人権を否定する動きが、男女共同参画基本計画や憲法二十四条の見直しとして進んでいます。
中高年だけでなく深刻な若者の就職難――希望をもてない人々がふえる中で犯罪が子どもたちの安全を脅かしています。
こんなに荒れ果てた世に生きる私たちです。でも悪政は多くの人々に怒りと変革への希望を抱かせることにもなります。
昨年三千六百もの会を生んだ「九条の会」運動、米軍基地強化に反対する自治体ぐるみの住民の運動、そして大増税ストップの運動が私たちを励ましています。アジアでは平和への流れが日本政府を孤立させています。
新しい年が、女性・子ども、庶民の人権の輝く誇り高い独立の日本に向かって歩を進める年になるよう、手をとりあって前進いたしましょう。
婦人民主クラブ会長 一戸葉子