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主張・見解

迎春 歴史を前へ進める確かな一歩を

婦民新聞第1384号(2012年1月1日発行)より

婦人民主クラブ会長櫻井幸子

二〇一一年は短く、そして長い一年でした。

「故郷を奪わないでと手を伸ばす」被災した女川の中学生の句です。町が津波にのまれる瞬間と彼女の思いが胸をつきます。こんな一人ひとりの被災者の数え切れないつらく大変な状況に、為政者はどれほどの想像力を働かせて支援策を考えているというのでしょう。そればかりか、これをチャンスとばかりに被災者への援助からはかけ離れた特区構想などを持ち出して金儲けを企み、復興を口実に国民へ増税を押しつけようとしているのが政財界の姿です。福島の人々から住居や仕事を奪い、地球上を放射能で汚しながら責任をとらない東電、早々と「事故収束宣言」なるものを臆面もなく発表した政府の破廉恥さに比して、人のやさしさ、連帯感を鮮烈に感じた年でもありました。

昨年、世界は大きく動きました。毎年、米誌タイムが選ぶ「今年の人」は二〇一一年、個人の名ではなく「抗議する者」でした。年明けに始まったチュニジアの民衆蜂起は北アフリカや中東に広がり、世界中を揺るがせています。自分たちの足元から自由と民主主義を求め貧困撲滅をめざして立ち上がった「抗議者」たちは歴史の主人公です。日本でも「原発をなくせ」と、母親が、青年が、そして、日本のそこかしこからの声があがり、行動を起こしていることは大きな希望です。沸きあがった声をうねりにして一日も早く平和な安心できる地球をつくる年にしていかなければなりません。

「婦人民主クラブ」の名称の由来は民主的な婦人が集まるのではなく、みんなが力を寄せ合い、一人ひとりが民主的に育っていこうという意味で、だから「民主婦人」ではなく「婦人民主」になったのだという話を私は折にふれ思い出します。そのことこそが今、求められているのだと、創立の心を引き継いでいく事の大切さをいっそう感じています。沖縄、TPP、安保、憲法、日本の平和、安心の行方が今年にかかっています。学び、行動することによって歴史を前へ進めていく喜びを感じながら、今年、確かな一歩を大きく踏み出しましょう。

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